2008-01-01から1年間の記事一覧

Immortality

久々に英文の方をアップし、08年のオンライン記述を終えます。'Immortality' → http://jomeguro.blogspot.com/ 本年もご愛読ありがとうございました。よいお年を。(文=目黒条)

08の終わりに

もうすぐオバマが大統領に就任するドル安の国では、音楽においてはレコードカンパニーが力を失い、いわゆる「アーティスト性」にはなんの関心も愛情も持たないライセンサーが幅をきかせて数秒間のインパクトある音を「着メロ」「ゲーム音」等として切り売り…

『日本語が亡びるとき』

少し前にREALTOKYOというサイトの記事で読むまで、水村美苗著『日本語が亡びるとき』がネットで話題になって売れている、という事実をわたしはまったく知らなかった。さらに、それを知ってからもだいぶ経つのだが、ようやく今頃入手、たいへん感服しつつ一気…

新著『免罪符に』

免罪符に作者: 目黒条,森村泰昌出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/26メディア: 単行本 クリック: 59回この商品を含むブログを見るたいへんお待たせいたしました。私の新しい小説『免罪符に』が、角川書店よりまもなく発刊されます…

歴史に関するメモ

最近は結局のところアメリカ文学を読むことが多いわたしなので、話はわりとその辺に偏るかもしれないけれど、近年の文学は「個人の意識と対応させた歴史検証」という感覚に貫かれているものが多いように思う。ピンチョンとかパワーズとかには大変明確にそれ…

サブカルチャー

かつてのカウンターカルチャーというものは、表現者側にとっては「本道(ハイカルチャー)を知っての上の、アンチテーゼ」だったし、受け手側(支持・消費する側)にとっては「本道を知っての上の、箸休め」として面白がるものだった。日本ではいつしかカウ…

シンクロばかり

また、小説にまつわるシンクロニシティが! ――新しい作品(12月に出るものではなく、その次の作品)に「タイのスワ○ナプーム空港」と書いたのはいいが、実は自分で行ったことがない(わたしが最後に行った頃はまだドンムアンが国際空港だった)。だから、し…

もう芸術でないものは見ない

案内状をいただいていた谷口広樹さんの個展「融通無碍」に、クローズ直前に駆けつけた。変成意識の窓とも言えるような作品群に、ロゴスを突き抜けた別の次元を見せていただきました。自分の仕事からエスケープして出て行って、大正解。大収穫、大霊感。 実を…

イルミネーション

昨日は、ミッドタウンでイルミネーションに遭遇し、そのあと新宿南口サザンテラスのイルミネーションのところを通りかかり、と二つのぴかぴかを比較するチャンスに恵まれた。結論から先に言うと、ミッドタウンはちょっとアート的?でハイソな雰囲気、新宿は…

コンフィー・ブーツ

若い女の子たちの間でボアのショートブーツが流行しているのを最初に見たとき、「モコモコの室内履きが町に進出?!」という違和感を感じたのは私ばかりではあるまい。でも、それにももう目が慣れ、ようやく「かわいい」の文脈の中で安心して?見られるよう…

揺れ動く同性婚

アフリカ系アメリカ人の大統領誕生という大きな前進の陰で、カリフォルニア州では、一度認められた同性婚がまた違法になるという大きな「後退」が起こった。「リベラル派は、オバマ当選でもう十分満足でしょう?あとはもう我慢しろ」と? 婚姻制度というもの…

pardoner

ちょっと間があきましたが、アップしましたのでこちらもよろしく。‘pardoner’→ http://jomeguro.blogspot.com/ (目黒条)

7th Heaven

Yes, we can.という高揚感・多幸感に包まれ、すっかり魔法にかかったようになり、そうだ、わたしも信念にもとづいて何でもやってみよう、と急に思いたって、気になっていたある方(アメリカ人)のことをネットで綿密調査。すると、あっさりメールアドレスが…

leap!

オバマ氏のスピーチに世界中が心動かされました。わたしが実感したのは、「ベイビーブーマーによるデモクラシー」は完全に終焉し、より下の世代による、落ち着いて地に足が着いたデモクラシーの時代になったんだ、ということ。「わたしは戦争に忙しくてウッ…

きのう喋った話

話の続きシリーズ。結局、本は進呈しました(ロンドンから来た友人に会って)。ショートストーリーズの方がまだしもかと思い、『カルトの島』を。読んで日本語学習の一助になるかどうかという問題はさておき、国際プロモーション活動は必要だろう、という判…

レンタル品としての肉体

引きこもって働く日々の中、レンタルDVDのことなどすっかり忘れて放置していたら、ついに次のようなメールが来た。「…返却期限は設けておりませんが、一定期間以上貸し出しされております会員様へは、返却忘れの可能性もございます為お知らせさせて頂いてお…

顔面認知の文化ギャップ

日本人は、メールなんかで使う「顔文字」に、顔の輪郭をかっこ( )で付けることが非常に多いけれど、西洋人の使うエモーティコンは、目や口などのパーツしか表現しないことがほとんど。この違いはなんだろうと、以前から思っていた。もっとも外国人友達で絵…

本がらみのお話

来年の手帳を確保したいので、ちょっと本屋さんまで行こう、ということになった。今日は本買う用ではない、と自分に言い聞かせながら到着。しかし、店頭でいきなり、レイモン・クノー『あなたまかせのお話』(塩塚秀一郎訳・国書刊行会)が平積みになってい…

ミッシング・ピース 東京展

代官山ヒルサイドテラスで「The Missing Peace」という美術展を見てきた。サブタイトルが「ダライ・ラマ14世と向き合う、60人のアーティスト」。俗な言い方をすれば「お題がダライ・ラマ」展なのだが、ある意味では、世界中のアーティストたちが自らダライ・…

The Wall

「ウォール街ウォール街っていうけど、ニューヨークのウォール街の『壁』って今もあるのかな? 行ったことある?」と父。「え? ニューヨークに行ったってブロードウェイの劇場には行っても、そんな界隈に何の用もないから、近づいたこともないよ」と私。「…

受信口

なんでも録画可能な世の中、映像がこれだけ出回る時代に、どういう理由で舞台芸術をやるのかというと、やはり「生(なま)」(つまりライブ)ということになんらかの儀式性があるからだと思う。演者本人が生き神さまのように観客の目の前に現れて、修正も取…

ル・クレジオ!

ル・クレジオについてはわたしの過去ログも見てくださいね。http://d.hatena.ne.jp/jomeguro/20060420 (目黒条)

不思議で重要な人々との出会い

本のゲラを見ている最中、ふと思い出されてくるのが、故・丸山圭三郎先生のこと。学生だったわたしに向かって、丸山先生は突然ポカッと「あなたは小説をお書きなさい」とおっしゃったのだった。そういうことがしたいですと私は人前で言ったこともなかったし…

山海塾の『とばり』

山海塾『降りくるもののなかで――とばり』を世田谷パブリックシアターで拝見。「生と死」という山海塾の作品に通底するテーマが今回、宇宙に向かって直接開いているような……「聖なる方向のタナトス」を感じとれるような……本当に素晴らしい作品でした。終演後…

目黒条という名前

先週・今週と、通常ひきこもりがちな私にしては珍しく、いろいろな方とお目にかかるスケジュールがてんこ盛りで、楽しくも濃厚な二週間になっています。芝居の読み合わせする、本のゲラ出る(宣伝するには早すぎる気がするので、これはまた追って情報書きま…

目黒条のメールアドレス: jomeguro★hotmail.co.jp (★を@に変えて入力してください。) なお、必ずお返事がさしあげられるとは限らないことをご了承ください。