2007-01-01から1年間の記事一覧

東松照明「Tokyo曼荼羅」

会期が終わる直前に慌てて滑り込み、写真美術館の「東松照明 Tokyo曼荼羅」展を見てきた。戦後日本の風景から、より抽象的なファインアート世界までが堪能できる、素晴らしい写真展だった。わたしたちはいつだって時間の中で呼吸して時間の中で描かなければ…

●ishima

時系列が狂ったポスティングなのですが、今年のはじめ、まだ寒い頃に劇作家のシェリー・クレイマーに「わたしは○島由紀夫が好き。ポール・シュレイダー監督の”Mi○hima-a Life in Four Chapters"という映画は最高だった」と言われ、「ああ、その映画は見てな…

パブリシティ

今週は露出ウィーク――今日のジャパンタイムズに、インタビューしていただいた記事が出ています。日曜日発売の「シアターガイド」には、おこがましくも長塚さんとご一緒インタビュー、の記事が出ます。顔出しするような面相でもないのに、リナーンのためなら…

ジャパンタイムズ

今日、ジャパンタイムズの田中さんにインタビューしていただきました。話題の中心は、リナーン、マクドナー、演劇です。掲載は来週木曜(11/29)だそうですので、ご興味ある方は朝のキヨスクでどうぞ。

拳闘

この間、Nさんに又借りしたDVDで『ザ・ボクサー』というアイルランドを舞台にしたダニエル・デイ・ルイス主演のボクシング映画を見てから、私の心の中ではk田家なんかと全然違うパラダイムでの「ボクシング・ブーム」の風がざわざわと吹き始めていた。ヘミン…

消費社会と文化

以前書いた「ヤン的なるもの」の続きを急に書きたくなったので書きます。 この間は、「ヤン」と「エリート・高収入層」の分離社会になってしまった日本について書いた。しかし、その先のもっと大きな問題というのは、ヤン層もエリート層も、消費を享受するこ…

ヤン的なるもの

頭を丸めた坊やと、おっかないほど眼光鋭く、要するにわかりやすい「人買い」の顔をした男――この二人の会見なんぞが大きなニュースになってしまうというところから、突然気がついた。単純すぎる「わしらヤン○ーだが、ヤン流で世界一をめざして何が悪い!」と…

サラエボの花

12月に岩波ホールで公開のボスニア・ヘルツェゴビナ映画『サラエボの花』を試写会で拝見。 サラエボ! ついこの間まで最悪の民族紛争の渦中にあったサラエボに、わたしは行ったことがない。だからある意味では、この映画を「文化人類学的な」視点で、なるほ…

ミリキタニの猫

ユーロスペースでドキュメンタリー『ミリキタニの猫』。「三谷より、リキの入ったミリキタニ」という出来の悪い川柳を思いついている場合ではない、この日系人アーティストの生き方には本当に気合が入っている。アメリカ生まれだが広島で育ち、アメリカに戻…

アコースティック

昨夜の『キャバレー』に続き、今日はパパ・タラフマラの『トウキョウ←→ブエノスアイレス書簡』を拝見。まったく違う性質の二つの作品だけれど、それぞれに関しいろいろ深い思いがあるので、もし何か書こうとするなら大論文になってしまうだろう。だから、こ…

エコロジーとポストモダンの終焉

『デス・プルーフ』を観た日から食べたくてたまらなくなっていた悲願のメキシカンフードを、ようやく今頃、某メキシカン・レストランでお昼に食べた。ああタコス!タコス!タコス! わたしは絶叫するほどタコスが好きだ! というわけで最高にハッピーな昼だ…

お葬式とアントワネット

今日の午前中は、とてもお世話になった方のお葬式に出席した。すごく悲しかったので、帰りに「こりゃ今日はとても仕事にならないだろう」とビデオ屋にふらふらと立ち寄り、久しぶりにDVDを大量借りしてしまった。 まずは、あまりの評判の悪さに今までわざと…

複製の複製

先日亡くなった有名な作詞家の方を追悼するような企画があちこちでなされている。それでふと、かつての「歌謡曲」とそのトポスである「テレビ」について考えた。 あの作詞家さんはたぶん推測するに、文化的教養がとても高かった人だと思う。この方のみならず…

デス・プルーフ

夜陰に乗じてタランティーノ監督の『デス・プルーフ』(グラインドハウスの片割れ)。素晴らしいの一言!!! ディテールのすべて、イディオ・サヴァンのような天才的手さばき(これは作為的でないという意の私的最大級の賛辞!)、何から何まで凄い。多少の…

セクシャル・ファンタジーとしての「右」

今朝はABCのクレイグ議員「わたしはゲイじゃない」会見の映像に見入ってしまった。また出ました、「ホモフォービアのタカ派隠れホモセクシュアル」。これはわたしを惹きつけてやまない不可思議なテーマだ。 ゲイであることを公表しているリベラル派、という…

エル・トポ

猛暑の果ての思考停止から脱出したい…と考えていた昨日、また突然、なんの脈絡もなく「ホドロフスキー見るのはどう?」というアイデアが浮かんだ。まるで啓示のように!! 『エル・トポ』。もちろん昔見た映画だけれど、当時の私は「なんかデタラメなイメー…

世界人類がセックスレスでありますように作者: 目黒条出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2007/07/19メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 57回この商品を含むブログ (9件) を見る横並びの市民社会を脅かす、最も危険なセックスレス・サークル! 実験的…

インランド・エンパイア

デヴィッド・リンチ監督の『インランド・エンパイア』を見た。 人は「非日常」ではなく「リアリティ」を求めて映画館に行くんだと思う。少なくとも私はそうだ。現実より現実的な、自分にとってリアルな世界の感触を確認したくて、暗い部屋の中にわざわざ入っ…