2004-01-01から1年間の記事一覧
スーザン・ソンタグが死んだ。71歳だったんだから死んで不思議な年じゃないのだが「スーザン・ソンタグ、なんだか死なないような気がするんですよ」(マルシー宇野千代?)という感じがしていた。それは単なるわたしの希望だったんだろうけど、でもなぜだか…
ヒッチコック監督の1935年の映画『39steps』をビデオで。なんでそんな昔の映画を見たのか?というと、翻訳中の某作品にこの映画の台詞が引用されてて検証したかったから。たった二行のために九十分も使うのは、経済効率の視点から見るならただの愚か者の行為…
イメージフォーラムのレイトショーで『ザ・コケッツ』を見た。昔サンフランシスコにあったヒッピー劇団のドキュメンタリーです。 コケッツは、カリフラワーとかいう名前のコミューンから発生した前衛劇団で、女装した男性を前面にフィーチャー。といっても、…
ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』読了。あの傑作『素粒子』の元になったともいえる処女作だ。わたしがここ十年以内に読んだ作家の中で一番共感してる作家がウエルベック、わたしが十年以内に読んだ翻訳文学の中で最も優れていると思うのが『素粒子…
B級映画『S.L.C.PUNK!』をビデオで見た。S.L.C.はソルト・レーク・シティーの略で、つまりモルモン教の聖地でパンクをやる話。よりによってお酒も売ってないようなアメリカ最強の保守的地帯で、頑張ってパンク。『さらば青春の光』そっくりにスクーターで走…
河出文庫のG.バタイユ『空の青み』読了。今まで読んでなかったのが勿体なかった。文庫化によって注意喚起されてよかったです。伊藤守男先生の名訳のおかげで、まるで娯楽小説のごとくスラスラ読めて痛快、もちろん傑作。酒のみっぱなしで絶えず吐き気ととも…
「ラリー・クラーク パンク・ピカソ展」が10月1日に青山のワタリウムでオープンした。初日にはオープングイベントがあってご本人ほか豪華キャストが出たらしいけど、まあわたしはそういうのを追いかける年でもないんで、きのうの昼間にひっそりと展示だけ見…
時間があいたので、やっと観てきました『ジェリー』。最初に、タイトルのGERRYっていうのは何?ということだが、俗語辞典によれば「老人、年寄り、老いぼれ(geriatric)のティーンエイジャー俗語」だそう。映画の二人、お互いを「ジジイ」と呼び合い、しくじ…
『CODE46』。信じて正解ウィンターボトム監督。わたしはディストピア(dystopia)研究家かってぐらいディストピアもの大好きなのだが、04年にこんなによく出来たディストピアものを観られるとは、ありがたき幸せだ。シネセゾン渋谷では「特別オールナイトで『…