イルミネーション

昨日は、ミッドタウンでイルミネーションに遭遇し、そのあと新宿南口サザンテラスのイルミネーションのところを通りかかり、と二つのぴかぴかを比較するチャンスに恵まれた。結論から先に言うと、ミッドタウンはちょっとアート的?でハイソな雰囲気、新宿は大衆向けに派手でコテコテな演出なのだった。
それにしても、人間はなぜこういうものが好きなのだろう、と考えた。イルミネーションを共に見て、カップルとか家族の連帯感を高めようというのは、闇の中でキャンプファイアーを仲間と共に見つめて感動し連帯感を高める、というのと同じだろう。闇=危険=敵にやられて死ぬかもしれない!という状況に、「光を見い出す」と「よかったー、わたしたち生き残れたね」と思う習性が、動物としての人間にそもそもある、という理屈。
そこまではしごく当たり前のことなのだが、きのうわたしが「こりゃビートルズと同じ手法だ」と思った、というのはなかなか広く理解してもらいにくい考えかもしれない。プレスリーなどの初期ロックンロールを進化させて、ビートルズがメロディーラインを絞ったり拡げたり巧みにしながら人心をとらえたのは、この「闇夜のイルミネーション」の感じとすごく似ていると思ったのだ。闇夜の「危機」成分を何割か入れる、と人はついてくる、とかそういう感じ? 言葉で表現するのが難しいんですが。
それを敷衍させた、なんだかすごく奥義というか実用できそうなアイデアがゆうべの夢に出てきて、「ああメモらなきゃ!」と夜中に何度も目を覚ましたんだけれど、メモする前に毎度挫折し再寝入りしまったので残念。今日はさいたまにスペインのカンパニーのダンスを拝見に伺う予定だが、ある理由でとても悲しく、気持ちが沈んでいる。しかし演目自体はすごく評判がよく、大変な傑作であるらしいです。(文=目黒条