デス・プルーフ

夜陰に乗じてタランティーノ監督の『デス・プルーフ』(グラインドハウスの片割れ)。素晴らしいの一言!!! ディテールのすべて、イディオ・サヴァンのような天才的手さばき(これは作為的でないという意の私的最大級の賛辞!)、何から何まで凄い。多少の教養を必要とする引用的世界でもあってなかなかマニアックなのだが、女の子たちの会話も爆発的に面白く、ムービーギークの男子のみならず女子にもお薦め! とにかく、お皿まで舐めたくなる夢の料理という感じで、本当、久々にスカッと爽やか!で痛快な気分にさせてもらった。台風だの、秋の寂寥感だのが近づく日本の湿っぽさに堪えられない人は、是非ともこの素晴らしい映画で爽快感を味わってみてください。わたしは見終わってからずっと、メキシカンフードが食べたくてたまらないのだけど、現時点でまだこの欲求は満たされていない…。(文=目黒条