お葬式とアントワネット

 今日の午前中は、とてもお世話になった方のお葬式に出席した。すごく悲しかったので、帰りに「こりゃ今日はとても仕事にならないだろう」とビデオ屋にふらふらと立ち寄り、久しぶりにDVDを大量借りしてしまった。
 まずは、あまりの評判の悪さに今までわざと避けていたソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』を、こんな時にでも見てやろうか、ということになった。すごく今更なのに今更こんなことを言うのもなんですが、見てみたら、これは時代劇の仲間に入れるべきものではなく『24アワー・パーティーピープル』の仲間なのではないか?と思えた。つまり、80年代のクラブカルチャー的多幸感とその終焉を表現したかっただけなのであって、本質的にはフランスとも歴史とも何の関係もないのではないか、と。フランス革命前夜のヴェルサイユ、というのは表層のスタイルとして借りてきたにすぎないのでしょう。じゃあ「フランス革命」は「エイズ」のアレゴリーか??(文=目黒条