2009年の終わりに

東京は、年末年始になると、交通量が減るせいか空気がクリアになる。夜、近所の道を歩きながら空を見上げたら、満月寸前の月(元旦が満月なのですね!)が見事に見え、オリオン座も綺麗に堂々と、空の真ん中に君臨していた。
文化芸術をやっていると、時にふと「文化ってその時どきの流行に左右されてるだけのものなのでは?」という不安にかられてしまう事があったりもするのだが(すべての流派は「その時代の流行」という側面を持つのも事実)、でも星空の見え方だけは永劫に(たぶん)変わらない。文化やモードや建築・町並みなどの地上の光景とは関係なく、紀元前2000年だろうが紀元後2010年だろうが、星空は同じ姿であり続けているのだ! そう思うと、ちょっと感動。空の星こそが唯一絶対のインスピレーション源なんだ、星を信じていれば絶対間違いがないんだ、という気持ちになりました。特定宗教への「信仰心」が一切ないわたしにも、天体の光(リュミエール)を信じて生きていこう、と思わせる何かが、そこにあったのです。「見上げれば空がある」限り、きっとわたしたちは大丈夫なのでしょう!
皆様にご支持いただきましたおかげを持ちまして、目黒条は2009年も無事にやってまいりました。ありがとうございました。翻訳、小説、そして新プロジェクトと、つぎつぎ願望を形にすることができた年でありました。率直なところ、「これは最低!」と思える出来事もあったのですが、それも吸収した結果として今、一年前の大晦日にはまったく予想だにしていなかったような意外かつ素敵な展開になっており、ハピネスを噛みしめると共に、運命の不思議を感じています。この波に乗って来年も行きますので、どうぞよろしく。 
本ブログを読んでくださっている皆様にとって、2010年が素晴らしい年となりますように。(文=目黒条