図形認知できない病

T島屋タイムズスクエア地下の「華正楼」のチャイニーズ菓子がすっかり癖になってしまった目黒です。椰子なんとかスーという、ココナッツとパイが層になったのが一番気に入っています。
自分の方向音痴があまりにも重症なので、「軽い脳障害ではないか」と前から思っていたのだけど、先日「SLD」というのがあることを知り(たぶんSpecific Learning Disorderの略だったと思う。←うろ覚え。でも要は、特定分野のLDみたいなことかと)、自分がその中の「Dysgraphia」という、図形・空間の認知がまったくできないタイプのLDだったということを、今頃になって理解した! 自己診断だけどほぼ間違いないでしょう。
もし自分がディスグラフィアだとすると、方向音痴&地図が読めないということのほかにも、次のようなことが全部すっきりと説明できる。●中学に入って数学で「図形」というのが出てきた瞬間にすべてを投げ出したくなり、突然の数学劣等生になったこと ●会社員の頃などに、図みたいなものを渡されて、「こことここに、これをセッティングするの、頼んだね」みたいなことを言われると途端に頭が真っ白になって、何ひとつ考えられなくなったこと ●自分はコトバだけが得意なのだと言語の世界に逃げ込み、その部分の能力だけが突出したものに(自分で言いますが)なったこと ●視覚認知がだめなくせに、絵画が異常に好きなこと(それがアートであって、好きなことを想像していい――地図のように「理解」したり「使っ」たりしなくていい――という、視覚モノながらも慈悲深い世界であるため、そこに入りこむと魂が救済されるように感じる)
こうして考えてみると、自分がディスグラフィアであったおかげで、言語を使う仕事をするようになった、ということが、今さらながら論理的に理解できるのだった。本当にすっきり。舞台芸術の中でも、より視覚寄りのダンスの人(マエストロA児さんとか)を極度に尊敬してしまうのも、さもありなん、だ!(文=目黒条