希望の光?

わたしは『世界人類…』でも『カルト…』『免罪…』でも、一貫して「戦後民主主義の崩壊」「イデオロギーに翻弄される人々」について書いてきた。(それだけだと広く大衆に関心を持ってもらえないので、性という要素を多少入れているけれども、個人的には別に性に関してオブセッシブなわけでもなんでもない。それはサービスというか、おまけの部分。)だから、政権交代とかに興味がないはずがないのだけど、前に述べたような理由で、そのことに関してここで長広舌をふるうつもりはない。
ただ、ひとつだけ希望を感じたことを書くと、三つぐらい前の記事で述べた教育関係者の発言のような、昔の保守派風の大義名分ぽい毒が抜けたところでの「合理主義」、これはいい。下の世代、最低限そういう美徳は持ってるよね、というのは本当に救いとなる!
SF作家が未来予測する時代は何十年も前にとっくに終わっており、「2012年になんとかベルトが…」とかいう話には普通の人は誰もついていけず(わたしだってそういうものに与する気にはなれません)、メディアに登場する評論家のほとんどは「御用」の人だということがとっくにバれ、じゃあ誰が未来についてコメントしてくれんの?というと、それはみなさん、自分の好みのフィールドで好みの物言いで各々語ってくださいまし、という局面まで来たわけだ。面白くなってきましたね。(文=目黒条