で実況中継ですが――今日はいきなり、イラストレーターの方の作品(のラフ)をメールで見せていただいて、どっと感動しています。これは長編小説の方とは微妙に違う部分の仕事なのだけど、とにかく自分の文章を絵画化していただくということは、光栄そして感動的な一大事! ただでさえ美術をなさる方々をめちゃくちゃ尊敬しているというのに、自分の本をすみずみまで読解して絵に描いていただけるとなれば、「こんなに幸せでどうなってしまうのだろう状態」で完全ノックアウトだ。
要するに、わたしは美術が大好きなのだ。しかし、自分でやる才能が一切ないので、美術家という方々をものすごく崇拝している。じゃあ小説家は崇拝しないのかというと、もちろん崇拝している人はいますが(ピンチョンとか)、文を読めばある程度方法論の類推がついてしまうというところがあって、今や神格化はなかなかしにくい。でも美術家だと、すぐ神格化してしまう! 人間は自分にないものを求めてやまないという性質を持つらしく、プラトン『饗宴』ではないけど、「原初に失われた片割れ」を希求、自分にない才能(自分にない回路で芸術をやっているそのミステリアスさ)にめちゃくちゃ魅了されるのだ。でもたぶん、あまりにも神格化しすぎるため、恋人とか配偶者とかには無理、という感じ。美術の人に関しては、ある程度離れた場所から静かにリスペクトしていたい。(文=目黒条