DVDノルマ

今度の家の周囲にはレンタル屋さんなど皆無なので、観念してついに郵送式DVDレンタル(正式にはなんというのだろう?)の会員になった。これで、お店にわざわざ足を運んだのに「見たいのが全部借りられてた!」となる無駄ももはやなく、返却期限に縛られるストレスもなく、返すのも楽で、遅ればせながらいいシステムだと実感…と最初こそ思ったのだけれど、だんだん辛くなってきた。映画を見るのに「辛い」とかって作った人には大変失礼な話なのだが、わたしの場合、娯楽というより半分以上は勉強気分・職業意識の延長で見るわけで、期限がないとついつい「積んで」しまい、それが心の負担になっていく…。やはり何事も締め切りがないとできないのね、と学習。
それでも、必死の思いで「ノルマ消化!」とばかりに、時間外労働気分――いやこれも作った人に失礼な言い草でごめんなさい、なのだけど、一日の中にDVD鑑賞まで無理に詰め込むとなると、どうも余分な残業をしている感じがして、眠いし辛いし(まあ映画館に行かなかった程度の関心度の作品だからそう感じるのか?)――で、やっと見終わって「ノルマ達成!」と近所のポストに放り込むと、また恐ろしいスピードで次のが送られてくる。それを開けてタイトルを見ると、なぜか必ずため息が出る。入っているDVDは自分がリクエストしてた十何本かの作品の一部であったはずなんだけど、「今日これが来るか?!」とういうような、その時の気分にフィットしない作品がいつも来てしまう(ような気がしてならない)。例えて言うなら、可能性ありげな異性とかたっぱしからアドレス交換したくせに、いざメール受信すると、発信者はその時の気分に全然合わない相手で、「今こんなやつとデートしないよ…」とため息が出てしまう、というような感じか。(すみません、経験もないことを例え話にしてしまいました。)
やはり、思いつきで店頭でパッと借りて、帰ってすぐパッと見るのが正しいレンタルDVDのあり方なのだろうか…。まあ、明日は(もう日付が変わっているので今日は、だ)天地創造した方だってお休みになられたという日曜日。少しは余暇を持ちましょうということで、頑張って一本は見なければ、と決意を新たにする。(文=目黒条