ラブレターズの宵

 一年間が異様にあっという間だ。この気候でふと思い起こすのが昨年のヤン・ロワースだが、あれが一年前のことだなんて信じがたい。芝居があって本書いて芝居があって本書いて…とやってると、時はびゅんびゅん過ぎていく。これ掛ける十なんだから、十年経つのもあっという間。きのう長塚さんと小島聖さん出演の『ラブレターズ』を観て、一生だってあっという間だわ、と思った。ああラブレターズ。心にしみる。みんな実にいい仕事しています。わたしも頑張ろう。しかし、先週tptの『ある結婚…』観て、きのう『ラブレターズ』観て、という、なんかシンクロニシティというか偶然にしては出来すぎという展開は、何?!と心の中で叫ぶ。ラブ…をこういう見方でみる日が来るなんて夢にも思わなかった。わたしも大人になったものだ。
 しかし、追憶にふける暇もなく、ガンガン仕事を進めなければなりません。手紙書く相手がいない分、原稿書かなくちゃ、です。(文=目黒条