エグみ

 春というと「明るく楽しい」季節というのも確かにあるのだけれど、私としては「春は、生まれたての赤ん坊か無謀な若者のように騒がしくワイルドで、荒々しくちょっと気がふれている季節」という感覚も強く持っている。そんなとき「エグみ系野菜」を身体に取り入れ、春のエグみに同化すると、春に負けずに春を利用して自分もパワフルになれるように思います。「エグさ」が、パワーのもととなる薬なのか、はたまた軽度の毒素なのかは微妙なところだけれど、摂取することによって同種療法になる感じ。今日も朝からエグみ系野菜スープを摂取し、元気いっぱいで「毒のある」(←カルト帯より!)作品を書き続けます。(文=目黒条