忘れがたき日曜日

 現在引っ越し先思案中で、松村潔『東京星図』と中沢新一『アースダイバー』をとっかえひっかえ読みながら、東京の磁場についていろいろ考えている。電車の中でもこれらテキストに首っぴき。
 そんな状態で、久しぶりに森下へ。昔は芝居の仕事でベニサンにも森下スタジオにも結構通いつめていたけど、最近とんと近づいていなかった。とても懐かしい。森下駅のひと気のない階段には、依然として「痴漢発生!」とかいう不穏な貼り紙が健在で、ここを通るときの昔のお約束とまったく同じように「え、今発生してませんけど?」と心の中でおなじみの突っ込みを入れつつ通り過ぎる。
 そしてベニサンで、イングマール・ベルイマン作、鈴木裕美演出、tpt『ある結婚の風景』を拝見。これぞリアリズムという凄い舞台に、震撼。芝居をやるならこういう風にはらわた見せてくれないと! 鈴木裕美さんの演出が本当に潸然と輝いていました。いやあ、このテーマ、ちょっと私に語らせたら長いよ!と思うのですが、たぶんとてつもなく長くなるので今は割愛。やっぱり一夫一婦制って無理な制度なんでしょうかね?(文=目黒条)