短編占い

 連作短編集『カルト…』が世に出て10日ちょい経った。いち早く読んでくださった方から感想をいただいたりして感謝しております。ありがとうございます。面白いと思うのが「中でもこの短編がよかったなあ」といった素朴な感想(編集さんたちはプロなのでこういう素朴な感想をおっしゃいませんが)を身のまわりの人々から聞くと、ああこの人はこういうタイプの人間なのね、というのが分析できること。今回はトーンの違ういろんな種類の話を盛り込んであるので、素直なところで感想を言ってもらうと、ああ、自分が意図したこの部分の仕掛けに「この人はこういう風に乗っかってくるんだ」というのが絵のようにはっきりと見えてきて、大変に興味深いです。それによって、今まで知らなかったその人の本質が見えてくる。それが著者にとっては、新種の占いような感じで、もう面白くてたまりません。またこういう占い本(などと書いてしまうと誤解を招く?)を是非やろうと思ってしまいました。親しい誰かと一緒に読めば、読者の側の方々にも同じ楽しみ方をしていただけるかもしれません。つまり、世界のナベアツ風に言うと相手が何の倍数の部分で「アホになる」のかがわかる、という感じで…。(文=目黒条