百頭女

 『カルメル会…』が絶版らしいことにがっかりしたけれど、河出文庫のエルンストなら『百頭女』は出てるでしょ、と入手。これは「絵画による文学」―まあ平たく言うならコラージュ集―なのですが、毎日かなりの勢いで見耽っています。これは私の「インスピレーション源」というべきか、または「サボり元」というべきか。
 やっぱりシュールレアリスムはいいです。そもそもがそれ系研究家?だったわたしとしては、里帰りしたような気分になれる。シュールレアリスムをファッション的に捉えていたような単なるマニアの友人たちは、いつの間にか身の周りから消えていき、みんな消息不明になってしまったけれど、わたしはここでこうしてまたレイモン・クノーなんか読んでいるよ(クノーはシュールレアリストではないのかな?)。このあたりの得意分野を再確認して再武装し、しつこく追求する構えなのだ。(文=目黒条