クレアモントホテル

ダン・アイアランド監督『クレアモントホテル』を試写で拝見。「長期滞在型のホテル」というと、優雅っぽく聞こえるのであるが、映画の冒頭で、それが実質「老人ホーム」みたいなところだ、というのがわかった時にはちょっと衝撃的…。みんなお金がなくはない人々なのだけど、家族と一緒に住んでいないということは、実はすごく孤独なのだ。
ホテルにやってきて暮らし始めるが、ふとしたことから若い男の子と知り合い、プラトニックラブみたいな状態、というか年の差デーティング気分に陥る女主人公を、ジョーン・プロウライトが大好演。彼女が、人生を振り返って肯定的な気持ちになっている素敵な映画でしたが、資料を読むと、原作の小説では老女はもう少しペシミスティックらしい…。わたしはそっちも読んでみたいなと思いました。青年役の人を、日本人が大好きな「王子様タイプ」(チープ・トリックのロビン・ザンダーみたいな…古!)の俳優さんが演じているので、映画は日本でもヒットしそうな予感、します。(文=目黒条