どこがニース?


うちの近所の怖いトンネルのそばにあるレストラン、というかハンバーガーダイナーで頼んだ「ニース風サラダ」。嬉しくなるほど雑な感じで、日本にいながらにしてアメリカ旅行気分が味わえます。卵は単なる目玉焼き、ツナもなんにもなくて何故か小さなフライド・シュリンプがのっていて、あとは申し訳程度のスライスド・オリーブ、トマト、アボカド…真ん中のつるつるした白い丸い塊はなんだろう?と、来た瞬間に思わずフォークで割ってみたのですが(ナチュラルチーズ?と期待した)、すごく糊っぽいポテトサラダでした。
この大味なサラダを少しずつつついて拙訳『長すぎる夏休み』の気分を味わいつつ、片耳で若い女の子の会話を聞きながらパチパチ訳文を打っている…というような時間を過ごしている次第。このダイナーに関しては、実はハンバーガーはちゃんとおいしいのです、とこの店の名誉のために付け加えておかなくてはいけません。ただ、仕事中は手が汚くなるものは注文したくないので、どんなに「素敵な」ニソワーズでも、やはりサラダを頼んでしまうわたし。(文=目黒条