湿気た味わい

あるアメリカ人の著者からのメルマガが来たので鼻歌まじりに読んでいたら、その文中に「わたしの〜〜という本は日本にも翻訳権が売れて日本語版が出る予定です」という記述を発見し、凍結!…それは…今わたしが毎日ほそぼそと細腕で訳している途中の作品ですが…全米のみならず全世界に散らばってるはずの無数のメルマガリーダーにそんなことを言い放たれてしまうと、「これは急がねば…」と焦る! 映画行こうかと思っていたんだけれど、それどころじゃないや、と身もひきしまる思いです。早くしないと八月ももう第二週だし…。双肩にのしかかるプレッシャー…。
で、外出する気も失せたので、このままずーっとインドア生活を送り続ける見込みですが、あまりに娯楽がないので、映画館気分でアイスモナカを買ってみました。

最近はチョコレートが入ってぱりぱりしてるなど、進化しソフィスティケイトされたアイスモナカも出回っていますが、わたしはやはり、昔東映まんが祭りを見ながら食べたような、最中が湿気た感じの素朴なものが好み。もうひとつ、小さい時に劇場で食べた、ボール箱に入っていて冷蔵庫で冷やされすぎたサンドイッチ、というのも懐かしいです。これもパンがひどく湿気ているのがノスタルジック。今でもああいうサンドイッチはどこかの劇場で売られているのでしょうか。グルメ的観点からみるととんでもない感じの、こういうコンフォートフードへの偏愛は、なぜだか根強いものです。(文=目黒条