コンテクスト

このところ、他の方の作品について書く仕事が絶え間なくつながっていた。(それが何かは、それぞれリリースされる頃に情報掲載します。)他の方、なんて表現するのはどうなのか、大先輩と言ってもまだまだ恐れ多いような方々の作品が対象なので、私のような者でいいのでしょうかと、依頼をいただくたびにいちいち悩んだのだけど、でも自分にも何かできることがあれば、と考えて書かせていただきました。
わたしは評論家でもなんでもないです、と本ブログでもたびたびお断りしてきたのだが、しかしこんなわたしでも「文脈」をガイドすることならできる、という風に最近考えるようになった。近頃はどうも、エンターテインメントに慣れきって、芸術作品のコンテクストがぜんぜんわからないままに「なんかこの部分が愉快かも」「気持ち悪い」「かわいい」というような反応しかできない人が増えているような気がするので、芸術の文脈というものを伝える人間は必要なのかもしれない、と。そうしたガイダンスに「自意識」も「論評」も入れ込む必要はなく、ただ非テレビ的な見方で芸術にアプローチする「視点」を紹介するだけでいいじゃないか、と。そう思ってやることにしたのです。(文=目黒条