『海の沈黙』『抵抗』

ジャン・ピエール・メルヴィル監督『海の沈黙』とロベール・ブレッソン監督『抵抗』、試写会で二本続けて拝見。前者が1947年、後者が1956年の作品ですが、どちらも全然古びていなくて、大変に素晴らしい映画でした。ナチスドイツの占領下にあったフランスの話…と聞いただけで、若い人が「難しそう」という先入観を持ってしまうとしたら、それは大間違いで、『海の沈黙』はものすごく面白い(アブサードな感じで面白い)心理劇という要素を持つ傑作だし、『抵抗』は緻密にしてクールな脱獄もので、何かのメタファーとしても読めてくるほど深みがある。せっかく生きてるんだから、やっぱりこういう本物の映画を観ないといけません!(文=目黒条