カフェを仕事場に?

「新潮」に、別役実さんが喫茶店を仕事場にしているというエッセイが掲載されているのを読んで(〜その話は有名ですが、完全に毎日喫茶店に「通勤」すると決めて仕事されているという事実に改めて感銘を受けた)、そうかわたしも隣の家の取り壊し騒音問題が始まったらそれをやればいいんだと思いたつ。それで、ポメラが欲しいなという欲求が急速に高まる。モバイルは所詮インターネットができるのでサボリ箱になってしまう可能性が大だけど、ポメラならひたすらテキスト打ちに専念できるでしょう?
それで新しくモチベートされたわたしは、まずはロケハンからと、仕事場にふさわしいカフェ渉猟に励んでいた。コーヒーの味ということでいえばスタバが好きだが、うちの徒歩圏内にある四軒のスタバは、一軒目=客もまばらで場としては凄くいいのに、ベーカリーのお姉ちゃんがパンが焼き上がるたびに大声で叫ぶせいで台無し、二軒目=なんか狭苦しい、 三・四軒目=観光客が多くやかましい という理由でどれも仕事にはまったく不向きであることが既に立証されている。いろいろと新規開拓していく中、意外といいかなと思ったのが、とある広めのタリーズ…(タリーズシナモンロールはおいしい。)…でも、BGMがジャズっていうのがなんかしっくりこない。
そして、ついに理想に近い隠れ家カフェ?を発見! そこはMTV流しっぱなしなんだけど音響効果がたいへんよくクラブっぽい感じさえあり、音楽のセンスもよく音量もほどよく、インテリアもよく、適切に空いていて、従業員の無愛想さも気に入った。「これは!」と興奮しかけたけど、一点残念なのが、昼からしかやってない、ということ。わたしがいちばん仕事したい時間帯である午前中に営業していないのは惜しい…。
と、ここまでカフェ探しに努力してきたのに、皮膚科で「絶対に紫外線に当たらないように。今当たると大変なことになる」と言われ、折りしもそれが梅雨明け猛暑のタイミングで、なんだ、昼間外に出るということ自体が危険じゃないか……となり、すべては水泡に帰した。ショー・コスギに顔が似ているドクターのおかげで(〜関係ないけど、ソトマイヤーさんはエリツィンに似ていますね)、ポメラ案もカフェ案も、目の前から全部消え去ってしまい、家で遮光カーテン閉めきって仕事してるのがやっぱり一番、ということになった。騒音対策は、騒音が出てから考えればいいだろう。
しかし、今はもうサンスクリーンとかつけられるので、どうしてもの外出の際は、日傘だけで普通に出ています(…顔面完全防備の怪しい姿は卒業!)から、お呼び出しもご遠慮なくどうぞ。(文=目黒条