別の流派

人間が求めるものは最終的にはやはり、人間なりペットなり、生命あるもの(植物含む)との絆なんだなあ、と思ったところで、写真の話。
あるサイキックの方のインターネットサイトに、その人が撮影した植物や風景の写真がいつも掲載されている。それがもうムチャクチャすごい写真で、単に「ピントがしっかりきてますね」「いいカメラ使ってますね」「光線のことをよく考えてますね」というだけではない、何だかもう、美しいという言葉では表現しきれないような特殊なヴィジョンの、凄まじい写真なのだ。明らかに、心眼で何かを見ている人の視点(サイキックなので当然ですね)。別の言い方をすれば「神様目線」であって、それはもう普通の「植物写真」「風景写真」とは完全に別カテゴリーという感じだ。
そしてそれは「芸術写真」とも完全に別流派だ。だって、人間的葛藤とか全然ないし、ロゴスとヴィジョンの対話がまったくないからだ。素晴らしい世界だと思うけど、芸術側から見たら「それをやっちゃあ、おしまいよ」と言いたくもなるような…。
芸術というのは、がちゃがちゃしたセルフトーク、というような「雑味」があって初めて芸術なんだとしみじみ思いました。(文=目黒条