フレンチトースト

以前はブログに料理のレシピを書くこともあったのだけれど、引越して後はオーブンもミキサーもない暮らしをしているので、料理と呼べるような料理をしなくなってしまい、したがってそういうポスティングも、もうしなくなりました。
その代わり、というわけではないけど、そのときどき、奇妙奇天烈な食習慣に偏向することにしている。今はフレンチ・トーストばっかり作って食べている。朝から甘いものを食べたがるアメリカ人っぽい習慣を、わたしは長年馬鹿にしてきたのだが、なぜか急にそれをやってみたくなって、やってみたら美味しかった。ソーントン・ワイルダーの『わが町』で「ほう、今朝はフレンチ・トーストか!嬉しいね〜」みたいな(引用不正確)ことをいいオヤジが言うところがあるんだけど、たまのフレンチトーストが嬉しいという清教徒的な感じが可愛く、とても印象的な場面だ。そのことを思い出したというのもあって…。
でもわたしはそれを、たまにやるのではなく、一日何回でも繰り返す。これはサマセット・モームの「イングランドでおいしいものを食べようと思ったら一日三回朝食を食べたらいい」(また引用不正確)というのを実践しているつもりなのです。フレンチトーストじゃ、全然イングリッシュブレックファーストではないのだけど。(関係ないけど、朝マックメガマフィンイングリッシュブレックファーストと呼べるのだろうか?)
わたしの勝手な発明ですが、フレンチトーストは、牛乳の代わりにココナッツミルクを使って作っても、美味です。というか、そっちの方が断然好き。(文=目黒条