資料さがし

これから手がける翻訳に関しても今やってる自分の作品に関してもどうしても必要な資料がいっぱいで、近所にある○○区中央図書館に出向いた。この図書館、日本の作家のところにはちゃんと拙著『世界人類…』があり、また児童書のところには拙訳『ブルーベリー…』があり、外国文学のところには親の訳書が山のようにあった。我が家のファミリー・ビジネス?はここの書棚を確実に侵食している様子で、あーよかった。これからもこのインベーダーゲームは続きますので、中央図書館さんよろしくおねがいね。
昔、大和書房から出た『長靴をはいた猫』というシャルル・ペローを澁澤さんが翻訳したもの、ないかなあ?――という探しもののひとつが、別の出版社から出た、イラストレーションごと再録された本という形で見事発見され、大満足だった。あるような予感がしていたんだけど、ほんとに当たるな、わたしの勘は。それで、今それを懐かしくめくっていたら、ふと、「青髭」のひげの青さって、いったいどういう感じの青みだったんだろう?という疑問がわいた。最近よく白髪の年配者がカラーリングで入れたりしているパープル――ああいう感じの浅い色味とは絶対に違うだろう。じゃあ、群青色みたいな感じか。でもそれ、なんとなく想像がつかない。たぶん濃い色だと黒と識別不可能だろう。いっそエレクトリックブルーみたいな感じじゃないと「不気味!」という印象にはならないかもしれない。でもそれじゃあまるでB級ムービーだ。…まあ(ジル・ド・レエのことは置いといて)たぶん、青髭というのは「異民族」の謂だと考えるとわかりやすいかもしれない、という結論に至る。(文=目黒条