芸術起業論

 書店で、気の迷いで村上隆の『芸術起業論』を衝動買いしてしまった。この方に関し、美術界の村上ファンドとしていつか天誅が下るとか思っている人もいるのかもしれないけれど、アーティストは頭使ってやったもの勝ちだ、とわたしは実は肯定的に見ている。現代美術については門外漢だし、ましてアニメだオタクだという方面には一切なんの興味もないので、この本のことを語る立場にないように思うんだけれど、日本のぬるい文化状況への深い憎悪という点には大変共感できた。あっという間に読み終わる本。(文=目黒条