西洋人はお餅を理解しない

わたしはもともとあまりお餅などを食べないのだけれど、たまたま貰ってしまって今日食べたら思いついたのですが――「モチモチ」とか「ベタベタ」というような味覚が愛されるのはアジアならではで、西洋人にはあまり理解されていない様子ですよね。お餅のみならず、西洋人はでんぷん質がモソモソ固まっているような食感が厭みたいで、たとえば「豆」に関する文句は文学上でも数限りなく登場します。(豆のスープはまずい、食事に豆しか出ないetc…。)西洋料理では、でんぷん質を摂取するときは、クッキーでもマッシュポテトでも、バターなどの油脂分でなめらかにしてからというのが普通です。そうじゃない状態で食べさせらる豆なんかは「貧乏の象徴」みたいな感じがあるようです。しかし、日本人は甘納豆みたいなモソモソしたものをわざわざ好んで食べますし、全般的にでんぷん質そのものの食感が好きなようです。

そもそも肉食中心じゃなかったアジアでは、でんぷん物(穀類)からたんぱく質を摂取しなければならなかったという事情があって、モチモチが好きにならないと生きていけなかったのかも。(いかにも素人な感じの推論ですが。)

で、日本人たるわたしが愛しているモチモチものは、雪見だいふく。室温に30分以上置いておいて、中のアイスクリームが柔らかくなりポニョポニョになってから食べるのがお気に入りです。

でも、季節限定もののイチゴバージョンを試したら、「中から血が出た!」みたいで多少ショッキングで(…タイタスアンドロニカスみたいで)、ちょっと厭だなと思いました。やっぱり普通のが好きだわ。(文=目黒条