世代分割は、もうないのか?

ランチタイムのレストランで、となりに座った女性二人。大学生風の女の子と、その母なのだということが、しばらく会話を聞いてないとわからなかった。そのぐらい「友達会話」を対等にやっている。見たい映画の話などをしていても、情報の浸透度が二人まったく同じ。なるほど、ネットから情報を取って「大衆消費社会」のいちばんフラットな部分に触れていると、世代とか関係なくなるんだなあ、と思った。昔は、「親たるもの、子供が関心持つような浅薄な文化には興味ないし、そんなものは認めるつもりもありません!」というような感覚が一応はあり、文化における世代セグメンテーションみたいなものは存在した。でも、今はそんなものないんだなあ、としみじみ思った。
アメリカのニュースで「なんと、母と娘で一緒にボトックスやヒアルロン酸注射をやっている!」「母はともかく、二十代の娘が一緒にやるなんてどうかしている!」というようなのがあったけど、これも、世代セグメンテーション崩壊の例だったのかもしれない。プチ整形に関していだく観念が均質化しているので、「崩れたから直す」とかじゃない、「母と娘と一緒にジャニオタやってます」に近いミーハー感覚を、世代関係なく共有してしまっている、ということ。(文=目黒条