そもそも「姓」は必要なのか

病院にでも行かない限り、社会的なほとんどの場面でペンネームを名乗って生きている者として、「男女別姓どころか、実は姓なんて要らないのでは?」という気持ちに最近なってきています。

というのは…目黒というのは親からもらった姓ではないけど、名乗るになんの不都合もなく、むしろこの方が親から受けた害毒を思い起こさせず精神衛生上いい、と思うし、また、わたしの場合は目黒条というのがひとかたまりの呼称になっている感じでもあり…個人的には「姓+名」という観念は、完全に消滅している!

サヤカとかイマルとか、親が離婚したりいろいろあって、めんどくさくて名だけの芸名にする人の気持ちも、最近いやという程わかります。

家系とか、一族とかをアイデンティティにしたい人にとっては、名字が大事なのかもしれないので別にそれを名乗ったっていいけれど、そういう気が皆無な人は、ただの「条」とかでもいい――どっちでも選べる――そういう制度にしたらいいのでは? 男女別姓よりも、さらに進んだ「姓なしの個」という考え方もOK、と。

「識別する上で、太郎とかジョンとかいう名前だけでは、他人とカブる率が高いので、姓をつけて個別性を出さないと駄目なんだ」という反論は、「それではといって山田太郎やジョン・スミスにしたところで、カブる可能性はなくなりはしない」と論破されるだろう。

個別性を出したいなら、メールアドレスのように「太郎yxjp155が正式名称の、通称・太郎です」ということにすればいいのでは?

もちろん、「浪漫派耽美太郎」などの長いひとかたまりの名も、よしとする。浪漫派耽美太郎yxjp155が本名、とか。

そういう法律にしたらいかがでしょう。これは真剣な提案。(文=目黒条