Amjad 〜ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス

エデュアール・ロックのカンパニー「ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス」の久々の来日ということで、実はものすごく楽しみにしていた昨年発表の新作『Amjad』、ついに拝見してきました。チャイコフスキーの音楽やそのロマンチック・バレエ(『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』)を要素としてロック式のコンテンポラリーダンスに作り上げた作品。――という情報から、予め頭の中で期待していたものの、さらにずっとずっと上をいく素晴らしさだった。舞台上で演奏される音楽(もちろんチャイコそのままではなくギャビン・ブライアーズによるコンテンポラリーな編曲)も、美術(アストロノミーともアストロロジーともつかぬ雰囲気の息をのむ映像や、パネル化された作品)も、それだけ単独で発表するようなレベルのめちゃくちゃ贅沢なもの。そして何より、スピーディーで切れ味鋭いダンスがロマン派をリコンストラクションしていくさまに、本気で興奮した。パドゥドゥにならないパドゥドゥとか、面白いアイデア満載。わたしも、基本的にエクリチュールにおける多動性障害のようなところがあるし、過去の芸術を再構成したい欲望も強い人間なので、本当に隅から隅まで刺激的で、触発され、面白かったです。明日と明後日もやっているので、是非見て!(文=目黒条

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