LAST DAYS

 『LAST DAYS』を昨日見てきた。ガス・ヴァン・サント監督作品の中で一番好きだったかもしれない。わたしは言葉から先にものを考えてしまう人間なので、視覚的に構築していくアーティストには、文系の人が理系の人に抱く感情に似た何かを感じてしまう。ガス・ヴァン・サントの方法論は、ほとんど化学的な感じさえする。
 このラストデイズ、カート・コバーンの伝記映画では決してないし、ぜんぜん情緒的でもない、というところが気に入った。マイケル・ピットが本当にいい!わたしはマイケル・ピットの出ている映画はほとんど全部大好きだ。同世代の俳優が死ぬほど羨ましがるような素晴らしい作品にばっかり出ている。今回の映画の中でミュージシャンとしてプレイする場面があるんだけど、こんなに音楽がちゃんとできる人だとは知らなかった。かなり感動的だった。ハーモニー・コリンもちょこっと出てて、嬉しかった。(文=目黒条