ローリー・アンダーソン

 きのうはローリー・アンダーソン『時間の記録』展に行ってきた。とてもとても80年代。あの頃日本で「パフォーマンス」という言葉が流行った原因の80%以上はおそらくこの人じゃないかと思うんだけど、要するにダイクっぽい外見でエレクトリック・ヴァイオリンをかき鳴らす姿がたいへんにカッコよくて、その像がみんなの瞼の裏にすごく残る人だったのだ。というかこの人、決して終わっちゃった人ではなく、今でも活躍してるらしいのだが…会場でついつい「懐かしーい」と呟いてしまうわたしだった。かすかなノイズがもれているのを聞いて「あ、向こうでシャーキーズ・デイの音がする」とかわたしが囁いてそのブースに入ったら本当にシャーキーズ・デイの映像が流れていたので、一緒に行った友が「すごい!生き字引!」と震撼してました。そうなんです、なんでも訊いてください。という自分たち世代のことはどうでもいいんだけど、もっと若い、ローリー・アンダーソンを知らない人たちがこの展示を見てどう思ったか訊いてみたい気がした。(文=目黒条